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しかまの里のミニ情報

04-利用者の自立を支える身体障害者療護施設

ひょうごの福祉 2007 December No.682号より

特定旧法指定施設・身体障害者療護施設とは

平成18年4月から障害者自立支援法が順次施行されるに伴い、支援費制度(平成18年10月に廃止)の中で「施設訓練等支援費」の対象となっていた施設は、新法への移行期間である平成23年度末まで事業をそのまま継続できる事となっている。これらを「特定旧法指定施設」(以下、旧法施設)(※)といい、事業者は利用者や事業運営の状況等を考慮した上で、障害者自立支援法上の新体系に移行するか、旧法施設としてサービス提供を当面継続するかを選択できる。

身体障害者療養施設は、18歳以上の成人で身体障害があり常に介護を必要とする方に対し、治療及び養護を行う入所型の生活施設である(身体障害者福祉法第30条(現在は削除))。平成17年10月には全国に484か所、県内に19か所あったが、新法施行後の平成19年10月現在は全国に359か所、県内に12か所となっている。利用者の障害は、先天性もあれば事故や病気による中途障害もあり、また、利用者の年齢、障害程度や生活への思いはさまざまである。施設では、個別性の高い日常生活における介護やリハビリテーションを行うほか、利用者の個性に応じた作業活動や芸術・文化活動支援、余暇の充実、家族や友人とのコミュニケーション支援や地域社会との連携等、社会参加を促す取り組みにも重きを置いている。利用者の地域生活への移行を最終的な目的とする一方で、利用者の障害は重度化していく傾向にあり、地域移行は必ずしもスムーズに進んでいない現状にある。

障害者自立支援法施行前に施行されていた身体障害者福祉法、知的障害者福祉法等を根拠法とする施設

 

【施設拝見】 三愛園 利用者と地域のために必要な実践と選択を

(福)愛光社会福祉事業協会により昭和63年に姫路市内で開設された三愛園は、同法人の他の福祉施設とともに石と歴史のテーマパーク太陽公園の一角にある。

三愛園の特徴はその先駆性にある。平成4年開設の地域交流ホームは、利用者の作品のギャラリーや、今や施設外でも活躍するパソコンボランティアの活動拠点でもある。また、デイサービスを自主的に開始し、在宅障害者のニーズに応えてきた(6年後に認可事業化)。「この地域の一員として20年、必要なことをしてきただけなのです」と増山勝子施設長は語る。ISO9001を早々に認証取得し、人材育成にも力を注いできた。

その三愛園は現在も旧法施設として営業を続けている。「利用者の負担などを考え、状況を見守ることにしました」と施設長は語る。利用者の主体的生活の支援をめざし、施設の実践は続く。

 

障害がある人の自立生活 …住み慣れた地域の“生活者”として

 施設でも在宅でもなく「地域」で

障害者の暮らしの場を施設から地域へ移行する取り組みが進みつつある。平成14年度に国が策定した「障害者基本計画」において地域移行の方向性が打ち出され、その後各自治体で策定された障害者福祉計画でも平成23年度までに福祉施設入所者14万6千人のうち、1万9千人が地域のケアホームやグループホームに移行する目標が設定されている。また、平成18年10月から本格施行された障害者自立支援法では、障害者の日中活動や就労、住まいの場となる福祉施設や小規模作業所などについて、地域移行の流れに沿った形で再整理することが定められている。

障害者の地域での自立生活を実現するには、施策や計画の策定とともに選択できるだけのサービスを整備することや、重い障害をもつ人も安心して暮らせる地域こそ価値があるという考え方を地域に根付かせていくことが重要である。

地域との関わりの中にある自立生活

淡路市にある小規模作業所「障がい者地域生活拠点『ぽれぽれ』」は、平成14年度に、「親の立場で地域で生活する知的障がい者の暮らしと権利を考える会」の話し合いから誕生した。障害があっても住み慣れた地域でいつまでも暮らし続けることを目指し、運営は淡路市社協が担っている。

これまで「ぽれぽれ」では、畑を借りて収穫した野菜を販売したり、地元農産物を加工・販売したりするなど、メンバーがつくることの喜びを感じながら、様々な体験を積み重ねてきた。今年8月と9月には、自立に向けたグループホームの疑似体験として「自立体験ステイ」を初めて実施した。近くの空き家を借り、夕食づくり等の家事をする中で、メンバーからは「一緒にご飯を食べるのが楽しかった」、「トイレやお風呂で並ぶのが大変だった」、「一人で暮らしてみたい」など、思い思いの感想が出された。一人ひとりが自分なりの生活のイメージをもち、自立への意欲を高める取り組みとなった。

こうした本人への支援とともに「ぽれぽれ」が大切にしてきたことは、地域との関係づくりである。その一環として、「気づきの広場」という住民学習の場を設け、障害者が地域で暮らすことや人権をテーマに、6年間にわたり学習会を重ねてきた。「障がいや福祉を身近な問題として捉えたり気づきを共有することで、『ぽれぽれ』への協力者が増え、学びをほかの人に伝えようとする動きも出てきた」と淡路市社協北淡支部長の凪氏は話す。このたび体験ステイが実施された地区では、事前に障害について理解を深める住民勉強会が開かれ、体験に必要な布団や食器類なども地域から集められた。こうした協力の背景には、長年にわたる地道な地域への働きかけがある。

 
障がい者地域生活拠点「ぽれぽれ」
(淡路市社会福祉協議会北淡支部内)
URL http://www.eonet.ne.jp/~pore-pore/
 

自立生活は、単に住む場や働く場をつくるだけでは実現できない。本人と家族、地域が互いに関わり合い、支えあう当たり前の生活プロセスがあってこそ実現するのである。


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