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新聞のコラムから

01-近所に高齢者向け施設は迷惑?「一生安心な街」と考えては?

日本経済新聞 2007年12月3日(月)夕刊 夕&Eyeより

もし自宅の近所に認知症高齢者向け住居であるグループホームが建設されるとしたらあなたはどんな気持ちだろうか。

「徘徊(はいかい)するんじゃないか」「何か事故が起こるのでは」と不安を抱く人が多いかもしれない。ハウスメーカーや不動産会社の知人たち達に聞いてみても「よその高齢者が入ってくることを住民は嫌う傾向がある」という。

グループホームができると地域のイメージが向上するという回答はなかなか見当たらない。地域社会の高齢化がこれだけ進んでいるのに、自分の老後は別にして、認知症高齢者の住居に対してはマイナスイメージを持つのが今のところ一般的なようだ。

グループホームは、少人数の認知症高齢者が家庭的な環境の中で、スタッフの支援を受けながら共同生活を送るところだ。スタッフと一緒に菜園仕事もするし、買い物にも出かける。

2005年4月、東京都杉並区の高級住宅地で、駅から歩いて5、6分のところに、9人の高齢者が暮らすグループホームが誕生した。長年この地に住み続けた人が高齢者に役立ててと遺言で宅地100坪を区に寄付したのが始まりだ。

このグループホームを運営する特定非営利活動(NPO)法人の理事長(64)は「近隣の住民の理解を得るのが一番大変だった」と開設当時を振り返る。開所までに3回、近隣住民向けに説明会を開いた。その時「地価が下がる」「火災が心配」などと強く反対した人たちが今では一番の協力者になっているという。

不動産物件の広告チラシを見ると、相変わらず小中学校、公園、スーパーといった若い世代向けのランドマーク(象徴的な建物)が並ぶ。しかし、その若い人たちも老後までその地域で暮らすことになるかもしれない。長い目で見れば「一生涯、安心して暮らせる街」のインフラが整っていることは、土地の地価を高めてもおかしくない。

不動産物件を売り込むときの地図には、地域福祉の拠点である地域包括支援センターや在宅介護支援センター、訪問リハビリ事業所、配食サービス事業所、移送サービス事業所、車いすで歩行可能な歩道などが必須アイテムとして、堂々と描き込まれるようになってほしい。
 

住宅広告の地図に載せたい高齢者関連施設
社会福祉協議会 生活支援相談員などのお手伝いサービスがある
在宅介護支援センター・
地域包括支援センター
高齢者の日常生活の不安や介護サービスなどの総合的な相談窓口
介護保険事業所 訪問介護、訪問看護、デイサービスなどを実施
その他事業所 食事の配達、介護タクシー、移送サービスなどを実施

 

(ファイナンシャルプランナー 長沼 和子)


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