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◆しかまの里のチャレンジ◆

01、ターミナルケアを考える(寄り添う介護の実践)

介護人材Q&A誌 2006年11月号より

人の死とは、何なのでしょうか。施設の中で日頃忙しく働く者にとって、ゆっくりと「死」について考える時間、ゆとりがないことが現実です。しかし、特別養護老人ホームを運営する施設の職員は、「お年寄りの死」についてじっくり考えてみる必要があるのではないでしょうか。

島根県の隠岐諸島の小さな島には、 「しかまの里」の良き理解者である柴田久美子さん(NPO法人「なごみの里」代表)の営む看取りの家「なごみの里」があります。柴田さんは、人口700人の父夫里島でお年寄りの看取りをしています。お年寄りに寄り添って、一緒に時間を過ごします。お年寄りは、病気で苦しむこともあり、わがままを言うこともあります。また、何を言っているかわからないことさえあります。しかし、職員と話しながら笑ってくれることもあり、職員に教えてくれることもあります。そして、長年住み慣れた自分の島で暮らすなかで、家族の人に支えられ、職員に優しく寄り添ってもらっていると、お年寄りは夢の中で「自分の家」に帰ってくることさえあるそうです。

「三途の川へ行って戻ってきた」と言うお年寄りもいます。それらすべてのケアを受け、背中をさすってもらい、手を握ってもらいして、家族や職員とじっと見つめ合い、真正面から死への旅立ちを始めるのです。

家族は年老いた親(お年寄り)に育ててもらった幼少のころを思い出して、その苦労に感謝し、お年寄りは先に旅立つ親の姿を子供たちや孫たちに見せて、命のバトンタッチが行われるのです。

「しかまの里」に新しく入居するお年寄りが、家族の人たち(お孫さんが一緒のこともあります)と玄関を入ってきます。相談員と一緒に荷物を持ってエレベーターで居室のある階上へ行きます。そして、慣れない部屋に案内すると家族と一緒に部屋作りをして、お年寄りにとって、安らかな日々が始まります。

「しかまの里」では、ひととおりの住まいの準備ができた後で、家族の人たちとの話し合いの時間をもちます。家族の人たちは、大勢の待機者のいる中でやっと入居できた安らぎで、ホッとする一時です。家族の人たちの顔にもその表情を見ることができます。このときに、これから始まるお年寄りと家族の人たちの生活について話をするのです。

「しかまの里」ではお年寄りのこれまで生きてこられた有意義な人生を大切にして、家族を含めたお付き合いをすることによって、「終の住み家」でゆったりとした生活をしていただくことを全スタッフの最大の喜びと考えて運営しています。


 ■ 目 次 ■

ターミナルケアの実践【1】
…管理者の立場から

ターミナルケアの実践【2】
…スタッフの立場から

「しかまの里」の良き理解者である看取りの家「なごみの里」代表 柴田久美子さんの活動を紹介します。

 

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